- 硝子体内の浮遊物の影が網膜(カメラのフィルムに相当する)に写る。
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生理的な飛蚊症のほか、別の病気の症状として起きる飛蚊症がある。
そのため、まずは生理的か病気かを診断してもらうことが大切。 -
飛蚊症の症状の程度には個人差があり、
主に3つの因子により影響されます。- ①浮遊物の大きさ
- ②飛蚊症の場所(前部か後部か、中心か周囲か)
※一般的に飛蚊症が後部にあるほど症状が酷い - ③患者の感じ方や性格(神経質など)
眼の前に糸くずやオタマジャクシのようなもの、クモの巣のようなモヤが浮かぶことはありますか?
それは飛蚊症(ひぶんしょう)という眼の状態です。
飛蚊症は「病気ではないので治療する必要がない」「経過観察しかない」と言われてきました。
しかし、治療により改善できる飛蚊症もあります。
ここ数年飛蚊症に悩まされています。読書や運転など眼を左右、上下に動かすたびに、ごみのようなものが動きます。最近は、それが視界の真ん中にきて、イライラしてしまいます。眼科へ行き検査をしましたが、生理的な飛蚊症と診断され、治療法もなく、別の眼科を何件も周りました。
前日に前兆は一切なく、起きると突然黒い塊やそれにまとわりつく煙のようなものが大量に見え、酷い飛蚊症になってしまいました。
生理的な飛蚊症はほとんどが年齢による変化です。
若い時の硝子体は透明で、ヒアルロナンがコラーゲン繊維の凝集を防いでいます。しかし加齢とともに硝子体はゼリー状から液状に変性し、コラーゲンが集合して塊を作ります。その影が網膜に写ったものが飛蚊症です。
加齢に伴い網膜から硝子体が完全に剥離した状態を、後部硝子体剥離と呼びます。生理的飛蚊症の中で最も多いケースです。硝子体が網膜からはがれると、突然飛蚊症の数がふえます。また、視神経から硝子体が完全に離れてしまうと、ワイスリングという円形の飛蚊症ができます。
一部の飛蚊症タイプ、特に後部硝子体剥離によるワイスリングはレーザーによる症状改善が可能です。
飛蚊症のレーザー治療以外の唯一の選択肢は、硝子体切除術です。しかし、深刻な合併症を起こす可能性があります。
禁忌: 緑内障、網膜の病気、ブドウ膜炎などをもつ方は対象外となります。また、浮遊物と網膜またはレンズとの距離が短い場合は、レーザー治療が出来ない場合があります。
レーザーは、光エネルギーを強力なパワー密度で短時間放出します。
このエネルギーは、凝集したコラーゲン線維やヒアルロン酸分子をガスに分散させます。
およそ20分のレーザー処置で治療することができます。入院は必要ありません。
手術のリスク・合併症に関して、手術前に医師からしっかりと説明を受けてください。
飛蚊症の全タイプがレーザー治療に適しているわけではありません。
例えば、かくさんした雲・糸状の飛蚊症は、レーザー治療が難しい場合があります。
また、レンズや網膜に近すぎる飛蚊症は安全のため治療対象外となります。