ビトレオライシスは、浮遊物による視覚障害を解消できる、痛みを伴わない低侵襲性の治療法です。十分な経験と識見を有した一部の眼科医院で受けることができます。治療1回あたりの所要時間は、通常15-20分です。十分な治療結果を得るには、複数回の治療が必要な場合があります。
ビトレオライシスの目標は「改善」であり、「完治」ではありません。
浮遊物は、視界に浮かぶ小さな「クモの巣」または小さな点です。これらは、点、糸くず、あるいは曲がりくねった線のような小さく、暗い影に見えます。
眼内を満たす硝子体が時間の経過とともに収縮することで浮遊物が生じることがあります。硝子体の収縮時に、細胞が塊を形成し、網膜に影を落とします。
浮遊物は固定されていないため視界に現れます。浮遊せず静止状態にある場合は、一般的にはある範囲内までは、脳は自動的にこれらを無視するため、見えるという意識が生じません。脳は、眼の内部および外部双方にある物に対してこのように働きます。たとえば、網膜の近くに固定された血管を知覚することはありません。なぜなら脳がこれらを無視するからです。
浮遊物は眼の中で不活発な状態にありますが、硝子体中を浮遊しているため、眼の動きに合わせて移動します。そのため、しばしば動いているように見えます。
明るい青空を見上げたときに、浮遊物がよりはっきりと見えます。これは、瞳孔が閉じて小さくなることで、浮遊物がより際立つためです。
通常、患者さんの生涯を通して、浮遊物の形状やサイズが大きく変化することはありません。
眼内の浮遊物の影が見える状態を「飛蚊症」と呼びます。
通常、浮遊物は視力に影響を与えませんが、視界の質が低下します。
付着した浮遊物は網膜の損傷を引き起こす場合があります。網膜が引っぱられ、網膜裂傷が生じるおそれがあります。網膜裂孔を治療せずに放置した場合、網膜剥離に至る可能性があります。
突然たくさんの浮遊物が見えるようになった場合(閃光が伴うことがあります)は、すぐに眼科医の診察を受けてください。このような症状は網膜剥離の兆候である可能性があります。